2019年12月4日水曜日

すわる。デザインウィーク2019

 2019年10月26日(金)から29日(火)まで催した「すわる。デザインウィーク」
皆さんの助けを借りてプロデュースを務め、とりあえず無事閉会。
多くの時間を費やす「すわる」ことについて、皆さんに伝わることはあっただろうか。
出展者たちは充実した時間を過ごせただろうか。
反省点や不足な点を挙げたらキリがありません。

春に発起人の渡部浩行さんから依頼をうけて全体の構想を作り上げたころに渡部さんの病気が発覚しました。
「私にもしものことがあってもやり遂げてくださいね。」
と言われ衝撃をうけながら後悔しないために2つのことを決めました。

(上通アーケードでトークイベント「世界の名作椅子を知る」)photo by木の葉

・衝突を恐れずクオリティを落とさない
・渡部さんにお会いすることはお洒落をする

oriri-mfgでデザイン会議をするときは「イメージがある人の考え方を優先する」としています。それはデザイン製作担当の曽我が音楽活動をしていた時代に培った考えでoriri-mfg
では機能しうまくいっている、と思います。その場限りのイベントでは皆の顔色を気にしすぎて「こうすればいいのに」から数歩あとすざりをすることにならないよう心を強くやり遂げること。
賑やかなのが好きで、おしゃれな渡部さんにふさわしい時間であるようにワタクシ自身も気が抜けた状態でお会いすることがないようにすること。

この2つはやった。

(メイン会場リトルスターホールでoriri-mfgの展示)photo by木の葉

 勝手な熱い思いで皆さんを巻き込んでジタバタして、皆さんがそれに応えて下さったおかげで悩むことはあっても最後までやり遂げることが出来たのだと思います。
ここでひっそりと心からお礼を、ありがとうございます

(展示の一部、渡部さんデザインの椅子)photo by木の葉

渡部さんは閉会の4日後、他界されました。昨年亡くなったママンは12年間の闘病のうちのほとんどを自分らしく過ごすことが出来ませんでした。それを思うと他界するギリギリまでデザイナーとして過ごすことができた渡部さんの最後はお幸せじゃないかと勝手ながら思います。
※渡部さんのご自宅では香典や供物、供花の一切をお断りされていますので、この記事を見てご自宅にご連絡されないようにお願いします。

かといって、この世からひとりいなくなってしまう悲しさは消しようがありません。
「悲しさ」が原動力。
子供が「イヤ」を最初に覚えるように、辛さや痛みのほうがわかりやすく、辛さや痛みががあるから幸せや心地よさが際立つように思います。
皆様も目の前の大切な人と大切な毎日を大切にお過ごしください。

メイン会場の入り口付近に掲げたご挨拶文を↓に。

ご挨拶

 今回「すわる。」をテーマにこの展示会を催しました。食事のために座る、リラックスするために座る、はたまたカフェで小粋に座る。いろいろなシーンを考えて九州在住の家具デザイナー、木工作家、若い建築家達がこれらの椅子のデザイン挑戦をしてみました。

どうぞお好きな椅子をみつけてください。座って、この椅子が置かれるだろう空間(インテリア)を想像してみて下さい。自分だけの椅子、人に見せたい椅子、あるいはご自分の家とのマッチングで楽しいインテリアを考えてみて下さい。

最後に、この場を提供して下さった長崎書店さんをはじめとする多くの方々のご協力にお礼を申し上げたいと思います。

201910
発起人 渡部 浩行