2020年2月14日金曜日

転んでも元気に立ち上がってこそPPP

先日、家づくり集団「空楽」で畳の勉強会がありました。
熊本県八代地方のイグサは畳表の8割から9割のシェアを誇っています。
イグサといえば熊本なわけです。

 奥が高級畳表、手前が一般的な畳表、目の詰まり方、弾力が違いが明らか。
畳には吸湿効果、二酸化窒素収着能力があるそうです。

衝撃緩和型畳床。

住宅内で過ごすことが多い高齢者の事故の多くが住宅内での転倒。
介護保険における住宅改修でも平成29年7月から滑りにくい床材としてフローリングから畳敷きへの変更が認められることになったとか。

転倒、転落が多い玄関や寝室では靴の脱ぎ履きや着替えなどバランスを崩す機会が多いことから作ったoriri-mfg のsidebench

現在の日本の住宅って変わってきたライフスタイルと蓄積された日本文化などとのバランスがまだ取れてないようにワタクシ考えています。
それに畳は床材というより絨毯とかと同じ調度品としたほうがワタクシにはしっくりくる。
ともあれ畳は良いものだし気密性がどうのとか数字ばかりではない住環境ももっと良いモノになるノビシロがいっぱいあるんです。快適をつくるのは電気製品だけではありません。身近な人のためにも自分の為にもめざせピンピンポックリ。

2019年12月4日水曜日

すわる。デザインウィーク2019

 2019年10月26日(金)から29日(火)まで催した「すわる。デザインウィーク」
皆さんの助けを借りてプロデュースを務め、とりあえず無事閉会。
多くの時間を費やす「すわる」ことについて、皆さんに伝わることはあっただろうか。
出展者たちは充実した時間を過ごせただろうか。
反省点や不足な点を挙げたらキリがありません。

春に発起人の渡部浩行さんから依頼をうけて全体の構想を作り上げたころに渡部さんの病気が発覚しました。
「私にもしものことがあってもやり遂げてくださいね。」
と言われ衝撃をうけながら後悔しないために2つのことを決めました。

(上通アーケードでトークイベント「世界の名作椅子を知る」)photo by木の葉

・衝突を恐れずクオリティを落とさない
・渡部さんにお会いすることはお洒落をする

oriri-mfgでデザイン会議をするときは「イメージがある人の考え方を優先する」としています。それはデザイン製作担当の曽我が音楽活動をしていた時代に培った考えでoriri-mfg
では機能しうまくいっている、と思います。その場限りのイベントでは皆の顔色を気にしすぎて「こうすればいいのに」から数歩あとすざりをすることにならないよう心を強くやり遂げること。
賑やかなのが好きで、おしゃれな渡部さんにふさわしい時間であるようにワタクシ自身も気が抜けた状態でお会いすることがないようにすること。

この2つはやった。

(メイン会場リトルスターホールでoriri-mfgの展示)photo by木の葉

 勝手な熱い思いで皆さんを巻き込んでジタバタして、皆さんがそれに応えて下さったおかげで悩むことはあっても最後までやり遂げることが出来たのだと思います。
ここでひっそりと心からお礼を、ありがとうございます

(展示の一部、渡部さんデザインの椅子)photo by木の葉

渡部さんは閉会の4日後、他界されました。昨年亡くなったママンは12年間の闘病のうちのほとんどを自分らしく過ごすことが出来ませんでした。それを思うと他界するギリギリまでデザイナーとして過ごすことができた渡部さんの最後はお幸せじゃないかと勝手ながら思います。
※渡部さんのご自宅では香典や供物、供花の一切をお断りされていますので、この記事を見てご自宅にご連絡されないようにお願いします。

かといって、この世からひとりいなくなってしまう悲しさは消しようがありません。
「悲しさ」が原動力。
子供が「イヤ」を最初に覚えるように、辛さや痛みのほうがわかりやすく、辛さや痛みががあるから幸せや心地よさが際立つように思います。
皆様も目の前の大切な人と大切な毎日を大切にお過ごしください。

メイン会場の入り口付近に掲げたご挨拶文を↓に。

ご挨拶

 今回「すわる。」をテーマにこの展示会を催しました。食事のために座る、リラックスするために座る、はたまたカフェで小粋に座る。いろいろなシーンを考えて九州在住の家具デザイナー、木工作家、若い建築家達がこれらの椅子のデザイン挑戦をしてみました。

どうぞお好きな椅子をみつけてください。座って、この椅子が置かれるだろう空間(インテリア)を想像してみて下さい。自分だけの椅子、人に見せたい椅子、あるいはご自分の家とのマッチングで楽しいインテリアを考えてみて下さい。

最後に、この場を提供して下さった長崎書店さんをはじめとする多くの方々のご協力にお礼を申し上げたいと思います。

201910
発起人 渡部 浩行

2019年11月8日金曜日

劣化しながら美しく生きていくわけよ

絵のお医者さんがやって来たー岩井希久子・熊本地震被災作品・公開修復展ーというのがありました。
熊本地震で大きく崩れた建物から絵画がレスキューされるドラマチックな写真や記事などを地元の新聞で 見ていました。
その後「御船町美術館を作る会」にお誘いを受けoriri-mfgが修復展周辺の造作などのサポートをしました。
ワタクシはささやかなお絵かき少女として育ちましたが「芸術」というモノはぼんやりとしたイメージだけの物でした。それなりにあらゆる芸術品を眺めて今に至ってきたのですが修復の重要性を初めて知ったのです。
岩井さんが行っている画の修復は「元に戻す」ものではありませんでした。そうよね。冷静に考えたらこの世に「元に戻る」ことも「そのままであり続ける」こともありはしない。当たり前のことが当たり前に起きているのに寄ってたかって忘れてしまう、これは建築やインテリアの世界でもよくある話です。
岩井さんが絵画を「生き物」に例えられたことでワタクシは 修復された絵画が「もの」としてではなく熊本地震の爪痕を残しながらも作者の心を伝えれるために堂々と目の前に立つ強く美しい人のように感じられました。
今、また絵画は御船のどこかにあります。一部はカルチャーセンターに展示されるとか。コンディションが心配ですが。
田中憲一さんのほかに多くの芸術家を生み出した御船町に美術館を作ろうという動きが起こっています。月一程度で勉強会などがあります。興味がある方は是非。町外の方も是非。
「御船美術館をつくる会」 年会費2000円
Email:mifunebtk@lep.bbiq.jp

2019年2月10日日曜日

熊本にも家具デザイナーがいるんです

熊本にも家具デザイナーがいるんです。
自称デザイナーとかいう風情の方もちらちらと目にしますが
ちゃんとしたデザイナーもいるんです。
素敵。
 
その中のおひとりである渡部さんに誘われて
上益城郡益城町にある益城病院の犬飼記念美術館で開催中の
「熊本現代アート展」に行ってきました。
渡部さんはデンマーク王立アカデミーでポールケアホルムに師事。
その後の活動なども書いたらきりがないので割愛しますが
なんでそんな方が熊本に?という答えは
熊本出身だからです。
 
椅子は4脚おいてあって図面も貼ってありました。
華々しい展示ではありませんが
製品と、図面を見比べられるとても貴重な機会です。
インテリアや建築勉強している方は是非見て!じっくり見て!2/17までです。
写真はPPモブラー社で作られたトーネットのリモデル。
渡部さんのデザインはエレガント。

2019年2月2日土曜日

和と現代家具の三人展

ディレクションをしているoriri-mfg(オリリマニュファクチャリング)の展示会を開催中です。
明日まで。
大川家具の2組と合同の三人展。
「和と現代家具の三人展」
熊本県伝統工芸館1階展示室で2月3日16時までです。