2018年9月25日火曜日

「デンマークの灯り展」へ

デンマークの灯り展へ行きました。
北欧の豊かな灯り文化を感じることができる展覧会です。
実物や資料からいかに光源からの眩しさ(グレア)を防ぐか
繊細に繊細に設計されていることがわかります。

同じようにロウソクの灯りからスタートしているはずの日本の灯り文化はいっちゃなんですが雑な発展を遂げているようです。
近代照明の父、ポール・ヘニングセンが言うところの
ジャガイモやぶどうを生で食べて満足するかなり鈍感なタイプ
が大多数ですかね。
私が携わってきた現場でも裸電球はしばしば登場しております。。。ま、アレです。
それはおいといて
シーリング照一灯勝負的な灯り環境が主になってしまったのは
戦後の雰囲気だとか、日本人の瞳の色が暗いせいと
インテリア(住空間)に対しての意識の低さが原因なのかなと勝手に思っています。
今回の展覧会は繊細な照明器具の展示でしたが
単純に照明器具だけの導入ではなく
照らすところはちゃんと照らし、伊具の特性を知り、反射等もしっかり計算するなど
自分の身体や生活に合った全体の照明計画にも注目してもらえたらナイスな毎日です。きっと。

会期はまだ続きますので是非お出かけください。

デンマークの灯り展
照明デザインから見る灯りの文化
2018.9.8sat-10.21sun
九州産業大学美術館



2018年9月4日火曜日

母は船旅へ

以前からのブログでママン(母)と病気の話しをいくつか書いていましたが
すっかり悪くなってからは言葉もないというか
遠方の兄弟へ経過を報告するのも億劫になるくらいでしたし
ブログ自体をサボりがちな日々でしたので。。。。
先日ママンが死にました。
病気はMSA。多系統萎縮症という難病指定の病でした。
脳から身体への指令がいかなくなってくるといったところでしょうか。
少しずつ身体の自由が奪われていきました。
話せなくなり、歩けなくなり、立てなくなり、表情がなくなっていきました。
覚悟は一切できないまま。
単純に回復して欲しかったので分かったふりはしていても納得はしていなかったみたいです。

人から産まれて、いづれその人が死ぬ。
早いとか遅いとか死因とかいろいろを省けば平等で当然のこと。忘れがちだけどね。
決して特別な事じゃないけれど。ママンもワタクシも特別な人間じゃないけれど
特別じゃないところにも小さな歴史が詰まっていて心を揺さぶります。

「私はひとりで楽しく歩けます」
ママンが歩行困難になり始めの頃
ベッドの脇に貼ってあった両親のリハビリ目標を
とりあえず自分に。
みちこ画

三途の川の渡し賃をケチらないように言われたので現金をもたせて
クルーズツアーがお気に入りだったのでパーティの装いで
父が楽しみにしていた金婚式の新聞記事がでた日にママンは船旅へ。